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先意承問

[ 大嶋利佳のエッセイ ]

 夏休みをとって、成田山新勝寺の「参籠断食道場」に行ってまいりました。2泊3日の最短コースですが、滞在中は水だけで過ごし、テレビなし、パソコンなし、境内からの外出禁止、読んでいいのは仏教書だけ、という日常とは思い切りかけ離れた時間を過ごしました。

 そこで読んだ本の中で見つけたのが「先意承問」という言葉です。

これは、相手から言われる前に相手の意を汲んで、こちらから話しかけること、という意味だそうで、「和顔愛語」とセットで紹介されていました。言われる前に先に話しかける。これはビジネスコミュニケーションでも重要なことですね。

 これは、相手から言われる前に相手の意を汲んで、こちらから話しかけること、という意味だそうで、「和顔愛語」とセットで紹介されていました。

 言われる前に先に話しかける。これはビジネスコミュニケーションでも重要なことですね。
例えば電話応対でも、

「佐藤部長いらっしゃいますか?」
「佐藤は外出中なんですけど・・・」

で終わってしまっては親切とは言えません。

 「佐藤は外出中で、5時ごろ戻る予定ですが、いかがいたしましょうか?」とこちらから尋ねてあげてこそ、「気が利いた人」と喜ばれます。

 レストランなどでも、いいお店は、お客様に「すみません」と呼ばせることはありません。呼ばなくてもタイミングよくテーブルに来て「ご注文はお決まりでしょうか」と尋ねます。

 店頭販売でも、いい店員さんは品選びに迷っているお客様に「これはいかがでしょうか」と自分から勧めます。

 社内での上司とのやりとりでも、評価される人は、上司の気持ちを汲んで「例の件でご報告ですが」と、先に報告や連絡をします。上司から「例の件、どうなってるんだ」と聞かれてからでは、いくらきちんとした答えを返したとしても「こちらから聞かなければ言わないつもりだったのでは」と不信感をもたれます。いずれにしても「言われてから、尋ねられてから」対応したのではいいコミュニケーションにはなりません。

 この解釈は、仏教的なもともとの意味とは多少違うかもしれませんが、いい言葉を教えていただきました。

[ 筆者:大嶋利佳 ]
[ 2005.8.20号 第14号掲載 ]

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