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同窓会で気づいたこと

[ 大嶋友秀のエッセイ ]

 先月、30年ぶりになる中学校の同窓会に出席してきました。私は、もともと京都生まれですが、17年前に住まいを移してからは、ずっと関東にいます。関西に行っても、用件が片付くとすぐに戻ってきていました。そのため、同窓生との久しぶりの再会を楽しみにしていました。

 会場は、河原町三条の京都ロイヤルホテルでした。同窓会の受付では、場所を間違ったのかな、と慌てました。誰一人として同窓生であると認識できなかったからです。もちろん、落ち着いてみると、ひとり、ふたりと、面影が残っている人を発見できて、ほっとしました。間違いではなかったのです。親しかった友達との再会もしました。

 面白いもので、50歳前という年齢の人が集まっているのですが、まったく、当時の雰囲気のままの人もいました。一番多かったのは、面影は残っているけど、やはり、30年の月日の流れを感じさせる人たちでした。そして、全く、誰だか思い出せないくらい大きく変貌を遂げた人たちもいました。これには驚いたのですが、よく考えみれば、30年という長い月日が流れているわけですから、すぐにわからないとしても当然でしょう。おそらく、私には子供がいないせいか時の流れに鈍感なところがあって浦島太郎のような心境になっているからだと思います。

 そんな中で、ひとつ気づきました。それは、誰だか思い出せない人と話しているときのことです。最初は誰だかわからないわけです。ところが、話をするうちに、だんだんと思い出すのです。きっかけになるのが、なんと、その人の「話し方」や「笑い方」なんです。それが、変わっていないのです。「は!は!は!」なんて笑い声を聞くと、「お、おまえか!」と思い出します。「そうだ、あのとき、おまえも、私も、そこに、いた!いた!」と盛り上がってしまいました。「話し方が全然変わらないなあ!」なんてお互いに大笑いをしました。楽しい再会の後、ホテルのベッドの上で、ふと、この気づきは私の仕事が大いに関係があるぞ、とさらなる気づきを得たのです。

 私は、仕事として「話し方」を指導しています。ビジネスコミュニケーションにおける「話し方」の悪い習慣を気づいてもらい修正していくこと、そして良い習慣をつけていけるように指導しています。研修の冒頭で必ず、私はこの話し方と習慣についての話をします。それは、「話し方」はスキルです。だから、学ぶことができるわけです。そして、「話し方」は習慣です。だから、簡単には変えられないのです。ここから導かれるものは、心を強くして望まない限り、話し方そのものを変えていくのはできないとなります。そして、最初に「脅かす」ことになるのです。

 その「難しさ」を同窓会で発見したわけです。話し方が、30年を経ても変わっていないという状況に遭遇して、あらためて習慣というものの根強い力を感じたのです。これが良い習慣であれば、心強いものになります。ところが、悪しき習慣ならば喜べません。

 「話し方」のスキルは、どの業界でもどの層の人にも求められています。あらゆる活動の基本になるものです。そして、学んだり、向上させたりできます。なぜなら、スキルだからです。そして、そのスキルを習慣化しないといけないのです。しかし、良い習得を作ることは簡単ではないのです。もちろん、簡単でないからこそ、職業としての意義があり、ニーズがあるのです。そしてそこにこそ、スピーキングエッセイとして、社会に貢献できる意義があるということです。

 私は、30年ぶりの同窓会で、スピーキングエッセイの行なっている仕事の大きさと大変さを、再会した同窓生との楽しい語らいの中で、あらためて教えられたのです。(了)


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